キミガヨラン

このコンテナに植えられた植物、アツバキミガヨランっていって、とても魅力的な種類なんです。

葉先にかなり硬くて鋭い棘があって、刺さるともうね、本当に痛いんですよ。勢いによっては指貫通するんじゃないかという鋭さです。しないと思いますが。それでもこの植物は、陽炎が揺れるような夏の太陽を浴びても、雪が降り積もり葉が凍るような冬でも一年中ほとんどその姿を変えないくらい丈夫で逞しいんです。その逞しさがたまらない。

 

街を歩いていると、こうやって葉先の棘がカットされているのをたまに目にするんですが、これは植物自体の美観としては損なわれますね。でも、こういう公共の場に置く以上、安全を考えたら仕方がない。

そんな危なくて、棘もカットしなきゃいけないなら面倒だから捨ててしまえばいいのに、という声もあろうかとおもますが、多分この持ち主は捨てきれないんでしょうね。

棘というか、葉を四方八方に広げている姿はそれはかっこいいですから、それを見たい気持ちと、周囲の安全を考えて棘をカットする悲しさとの葛藤のなかで世話しているのかもしれないですね。