見ることの不完全さについて。
何かを記録しようとする行為は、ともすると「その瞬間を生きること」から、意識を引き剥がしてしまうことがあります。 意識下で写真を撮ろうとすると、“何かを残すこと”に気を取られすぎてしまうのです。そのとき、ふだんなら感じ取れるはずの音や匂い、肌に触れる空気の質感までもが、気づくと意識の外へ押し...
何かを記録しようとする行為は、ともすると「その瞬間を生きること」から、意識を引き剥がしてしまうことがあります。 意識下で写真を撮ろうとすると、“何かを残すこと”に気を取られすぎてしまうのです。そのとき、ふだんなら感じ取れるはずの音や匂い、肌に触れる空気の質感までもが、気づくと意識の外へ押し...
「写真家が、言葉で写した心の揺れ。」 愛とは、選ぶものなのか、選ばれるものなのか。 そして、愛を語るのはどちらなのか――。 春のざわめきに揺れる男女の心を、静かに、鋭く、そして残酷なほど繊細に描いた短編小説。 『愛情観察』で女性たちの一瞬を切り取ってきた著者が、言葉で「心の揺らぎ」を描く。 その感情の振幅...
写真は、加工技術の進歩により、ゼロから写真を生成することも可能になり、その真実性が揺らぎつつあります。かつて写真が持っていた希少性や神秘性は薄れ、写真の意味自体が変容しています。 これは時代の流れであり、良し悪しの問題ではありません。世代によって認識の違いもあります。 写真には「事実」が写り...
こう言うと語弊があるかもしれませんが、かつての私は、妊娠や出産を経て変わっていく女性の姿を、ただ漠然とした「変化」だと捉えていました。 私の妻も出産を経験し、気づくと胸や腰回りがいくらかふっくらとしたように思います。本人は少し気にしているようですが、私にはむしろ今の姿のほうが魅力的に映ります。神々しいとい...
こどものころ、世界は自分の目に映るものが全てであり、それが私の世界でした フリーランスになった頃、「生物から見た世界」という本を手に取りました。若干難しい言葉も並んでいるのですが、分かる範囲で読んでいくだけでも十分に面白く、今でも枕元に置いて、時折読み返します。 この本では主に「環世界」とい...
このコンテナに植えられた植物、アツバキミガヨランっていって、とても魅力的な種類なんです。 葉先にかなり硬くて鋭い棘があって、刺さるともうね、本当に痛いんですよ。勢いによっては指貫通するんじゃないかという鋭さです。しないと思いますが。それでもこの植物は、陽炎が揺れるような夏の太陽を浴びても、雪が降り積もり葉が凍るような...
ほのゆらる 冬日まわりし 母のうた…
Model : Kitai Aya 2019…
自然のものは、どんなものでもそこに美しさを見出せると言いますが、その中でも花はとてもわかりやすい存在です。 色々な花がありますが、それぞれの花の持つ奥深い美しさは、気の遠くなるような無数の時を超えて、花と虫たちの間で静かに紡がれてきた共生関係に深く根ざしているように思えます。人間によって掛け合わされ、過剰な美しさを持た...
Model:IPPEI TANAKA 2020…
2017…
※写真集「愛の輪郭」2022 掲載写真 モンシロチョウのメスの翅って紫外線を強く反射するらしく、オスはその強い反射を頼りに雌雄を見分け、交尾する相手を探してるって話を子どもの頃聞いたことがあったんです。 当時の相澤少年、昆虫とか大好きだったものですから、す...